Milky Way: 200911

2009-11-30

自分にはいわゆる「カタログをみて楽しむ」ってやつがあんまり出来ないタイプの人間だと思う。
他人を話していると製品の名前や芸能人の名前などなどよー覚えてるなーと感心する。
物覚えが悪いとかじゃなくてまず手に取るところからはじめなければ。

上京してはや3年半。いわゆる「電車通勤」というのをした事がない。
うごめくように、流れる人の波。
「僕はちゃんと溶け込んでるかな？」なんていう詩をどこかで聞いたが…

はてさて、”溶け込む日”は来るのだろうか？

休みになんにもしない日が続いていたので、相模湖へ。
山はすっかり色づいていて、四季を思い出させてくれた。
色弱な分、赤が弱く見えるけど、それでも紅葉は綺麗だ。

ホイールとは気難しいものでハブ軸が歪んでいるとまともにはしらない。
玉当たりがうまくいかなくても走ってくれない。
おまけにスポークのテンション次第で円を保っているのでそれを考えると
ますます気難しい。

けれども、真円で回る車輪はとてもスピーディで綺麗だな。

ちいさな店構えに小さな作業場、しかしそこで扱われるパーツは数知れず。
「自分が欲しい自転車」を作り、誰かに買ってもらう。
自由気ままなスタイルがこの店のレイアウトを決めているのだろう。

自分が起きてようが、寝ていようが、この風景は当たり前のように繰り返されている。
そんな当たり前の中に、何を見つけられるんだろうか？

また悪い癖が出てた。「どこか綺麗な場所に行かないと写真が撮れないと思い込んじゃう病」。
なんだかんだいってそーいう時はカメラを持ち出すのがタダめんどくさいだけなんだよね。
あー、こんなにも綺麗な朝が目の前に広がっているのに。

昔から苦手な「デザイン」。個性は０と言わんばかりに創造性が無い。
んー、夜な夜なデザインについて色々調べてみるも、やっぱり最後は感性がものを言うんだよな…

前の職場ではキーボードとマウスと疲弊した心が仕事道具。
今の職場ではアーレンキーとスパナと向上心が仕事道具。

あなたは何が仕事道具？

自転車の素晴らしい所は、「単純」である事。
単純な部品をより簡素化していく事が「グレードアップ」であるから面白い。
しかしその設定は深い深いものがあり、苦戦する毎日だ。

自転車フレームの進化はすさまじいもので、ミドルレンジ以上のフレームには基本的に「継ぎ目」が無い。
一体形成されたフレームは滑らかな曲線を描き、自転車好きな人間を魅了する。
メカニカルな部分に目が行くようになってきたのはいい傾向かな？と自画自賛。

飾られているホイールはとても綺麗で、いつか自転車を買ったときには…なんて思いでボーっと見てるときが多い。
いつか…ロードバイク欲しいなあ。

車はヘッドライトからみたフロントが顔だと思う。では自転車の顔は？
個人的には「ホイール」だと思うんだよなー。理由はとくになっしんぐ。
いろんな顔が並んでるのをいつも見れるのは、店頭で働いてる特権だなーと思ったり思わなかったり。

暖色系の照明で統一された店内。その棚の中に展示されているULTEGRA。
整備しながら、注文を受けてるのを見ながら。あぁ、欲しいな。と見てるだけ。

仕事休みでまったりしてると、降り続いていた雨が上がってきた。
昨日、仕事場に置いてきた自転車を回収しにいこうと準備してる最中に
「自転車が沢山並んでいるのを撮ってみたい衝動」がふと出てきた。
そんな訳で、ちょこっとお店の許可を頂いて、撮ってみた。

寝るためにベッドに入るとベランダに銀色の光が差し込んでいた。
覗くと、天頂に輝く月が一つ。今度こそは逃すまいと慌ててシャッターを切った。
秋の夜、冷たい風がレンズと僕の目に吹きつける。